川田真壽「歌舞伎文字に触れるWS」

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以前からずっと切望していた歌舞伎文字勘亭流のワークショップが
3月21日に実現しました。

未明には台風並みの暴風雨で交通の心配をしましたが、
参加者の方がいらっしゃる頃には空も明るくなり一安心。

講師をお願いした書家の川田真壽さんは、去年の羽ペン作りのWSにも参加して頂き、
ご縁を温めてきました。川田さんの師匠である伏木寿亭氏と勘亭流については、
Letter Arts Review vol.23:1(Fall 2008)にとても詳しく記事が掲載されています。

伏木先生もご自身で「歌舞伎文字勘亭流/翰林書房」を書かれていて、とても参考になります。

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川田さん手作りの紙芝居仕立てで歌舞伎や歌舞伎文字の歴史や背景などを説明して
もらいました。所々がクイズみたいになっていて、とても面白く勉強になりました。

詳しいことを知らない立場からすると、お相撲や寄席で見る文字も同じなのかと思って
いましたが、それぞれは異なり、広義で江戸文字の仲間となるそうです。

確かに文字を見ると、相撲の文字は大胆で動きがあり、寄席の文字は喋りたい雰囲気が
筆致に表れている感じです。川田さんがおっしゃるには、町中には案外江戸文字が
使われているとのことです。工房前の道路を挟んで向かい側のお蕎麦屋さんでも
「商い中」と出された看板は江戸文字でした!

江戸文字の中で勘亭流とは歌舞伎の世界でしか使わない、歌舞伎のために作られた
文字だそうです。特注なわけです!1779年に当時の御家流書家であった岡崎屋勘六が
依頼を受け、書いたのが始まりと言われているそうです。
そして勘六の号・勘亭から勘亭流と呼ぶようになったそうです。
この勘六さんがデザイナーとして優れていたのでしょう...。

勘亭流を作るときに文字に3つの願いを込め

(1.太く...隙間を少なくして客席に隙間無いよう、2.丸く...無事円満であるように、
3.内側にハネル...お客様を劇場内にハネ入れるように)
視覚的にも効果絶大な文字となったのです。

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参加者の皆さんの前で早速デモンストレーション!川田さんの始筆、終筆、筆運び...
を逃さないように真剣に見つめて...初めて見るので少々興奮気味(笑)。
普通の書道とは違う筆使いに興味津々でした...でもこれが自分で書けるのか?と
皆さん少し心配な様子...。そして練習へ!

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基本の縦線、横線を書いてみてから、川田さんの用意してくださったお手本をもとに
漢字一文字を書いてみます。ちょっと緊張?

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書き方をメモして練習に励む方もいました!
教える川田さんは勘亭流の「壽」を背負って?粋なお姿です!
足元には練習の成果が続々と...皆さん黙々と書かれ、
どんどん自然な線になっていきます。

今回は小さな色紙を用意くださったので、そこに一文字書くというのが本番でした。
さて、誰が最初に挑戦するのでしょうか(笑)?


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だんだん慣れてくると、遊び心を発揮している方も...川田さんからも
「遊んでくださいね。」の優しい応援がとびます。

皆さん本当に素敵な作品を書かれました!
最後に鑑賞会です。上手にまとめています。記念撮影!

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羽ペン工房でワークショップに参加くださると最後にcertificateをお渡ししています。
それぞれのワークショツプでお名前とタイトルを手書きしますが、
今回はお名前を川田さんに勘亭流で入れて頂くいう贅沢なことになりました!

お名前に合わせて、タイトルは少し丸みのあるcarolingianを参考に致しました。
奇しくも棍棒みたいな始筆が歌舞伎文字と同じですごい面白いです。

江戸の文化が残る世界を体験できて本当に素晴らしかったです。
また第二回目も行って頂きたいと思うのでした。私も参加したいし...。

川田さん、本当にありがとうございました。

羽ペン工房 星 幸恵

ワークショップ「歌舞伎文字に触れる」開催概要

私たちの周辺には様々な文字があり、果たしている役割も多様です。
日本の伝統芸を支える文字には視覚的な面白さを見ることがあり、特に歌舞伎で使われている
「歌舞伎文字」は独特の存在感を私達に与えているのではないでしょうか?

この度羽ペン工房では、「歌舞伎文字に触れる」と題して、講師から歴史を伺い、道具に触れ、
実際に文字を書くワークショップを開催致します。

日  時: 3月21日(日) 10:00~13:00
場  所: 白山/ギャラリー・羽ペン工房 (文京区向丘1-8-6)
定  員: 6名
受講料: 5,000円 (資料代込み) 
申込期限:  3月5日まで  (定員になりしだい締め切らせていただきます。)

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川田真壽(かわだしんじゅ)
1997年、伏木壽亭師の勘亭流教室に入門、2001年、初伝授与。
2003年、中伝授与。現在は、地方歌舞伎のプログラム作成、看板や色紙の制作等、
手広く活動を行う。伝統の火を消さぬよう、細く長く活動中。