12月12日、ご縁があって、羽ペン工房は初の出張ワークショップを愛知県春日井市で行いました。春日井市は、三蹟の一人・小野道風の誕生伝説の地でもあり、「書の春日井」として書道の文化を大切にしている所だそうです。
主催・かすがい市民文化財団のスタッフの皆様の温かいサポートを受け、午前、午後と羽ペン作りの楽しさを参加者に伝えることができました。
このWSは2週に渡り、一回目は羊皮紙を作り、二回目で羽ペンを作りご自身が作った羊皮紙に実際に書くという夢のような内容でした。
羊皮紙作りは、八木健治さんが講師です。羽ペン工房でも以前ワークショップをして頂いたことがあり、今回コラボでご一緒させて頂く機会に恵まれとても嬉しい気持ちになりました。http://www.youhishi.com/
八木さんお手製の枠に張られた羊皮紙です。羽ペン作りのワークショップまで、一週間の時間があり、乾いた羊皮紙は、文化財団のスタッフの皆様がひたすら表面にヤスリをかけてくださっていたのです。当日は、触っただけですぐに、きれいに書けるだろうな...と確信しました。
羽はそのままだと柔らかいので、一つの方法として熱い砂を使って固くしますが、これをキュアすると言います。
白い部分が少しずつ透明になりながら、ある瞬間にとても固くなるのがわかります。固くなったら、あとはペンの形にカットしていきます。
思った以上に固いので、ナイフで削るのは最初は難しいかもしれません。
一気に削るよりは少しずつの方が失敗が少ないでしょう。
しかし、もともとは鉛筆のように先がダメになったら削って使っていくものなので、怖がる心配はありません!
こんな感じに削ったら、中にインクどめを入れます。昔はとても角度のある傾斜台を使って書いていたらしいので、インクどめは無くても大丈夫だったのでしょうが、現代は傾斜角度も緩いので、無いとインクが一気に落ちてしまう可能性があります。素材はアルミです。曲げやすいですから...。
羽ペンが出来上がったら早速試し書きをしてペン先の感触を確かめます。
ここで先が割れるようだったら、削るかもう少し固くするかなど手直し出来ます。
そして、いよいよ本番です!前回自分で作った羊皮紙に好きな言葉を書いていきます。最初はドキドキ...でも勢いで書かれた方は、こちらも驚くほどの滑らかなペンさばきでした!書いている姿も絵になりますね!中世の写字生のごとし。クリスマス用にリボンをつけたりしてカードに仕立てて完了です!
参加者の皆様の真剣でありながら、書くことを楽しんでいらっしゃる姿を拝見して、スタッフ一同感動致しました!
ちなみに今回は「かすがい」という地にあやかってインクの代わりに墨を磨って書きました。墨はとっても書きやすいのです!海外でも人気なんです。
こちらは、講師が用意した見本です。本当に手作り100パーセント!
羊皮紙も羽ペンも!なんて素敵なことでしょう!
お疲れさまでした!
羽ペン工房 星 幸恵
開催概要
羽ペン作りのワークショップが、12月12日(日)に愛知県のかすがい市民文化財団主催で行われます。
羽ペン工房初の出張ワークショップです!
三蹟の一人である小野道風の誕生伝説地とされる春日井市は、
「書の町春日井」として書道の文化を大切にしているそうです。
かすがい市民文化財団は、今年「文字もじ書くかく」シリーズとして、
関連あるワークショップを開催中。
今回は、先に行われる羊皮紙作りのワークショップとコラボになり、
そこで作られた羊皮紙に書けるように、羽ペンを作ります。
さてさて、どんな羊皮紙カードが出来上がることでしょう...。
羊皮紙と羽ペンの相性は抜群なんです。
その感触を試して頂けたら嬉しいです。
http://www.me.ccnw.ne.jp/kasugai_zaidan/ws/index.html
文字もじ書くかく→
http://www.me.ccnw.ne.jp/kasugai_zaidan/ws/mozi/index.html