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清水裕子「瀬戸内の島に建った純白の石碑」後半

2016年3月下旬、瀬戸内海の小島に建立された石碑が除幕式を迎えました。アルファベットを手書きして手彫りした石碑です。この両作業を1人で行った石碑としては、もしかすると日本では初めてだったのかもしれません。この記事は、私の個人的な願いから生まれ、多くの方々の支援でできあがり、公のものとして巣立っていったこの石碑のお話です。前半、後半を通して読んでいただけましたら幸いです。

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素晴らしい作業場で 2015年10月26日
10月26日、関ヶ原で3日前に積み込んでもらった石と共に前島へ。ここから2ヶ月強の間、母と2人で自宅と前島を月に2度行き来する生活が始まりました。


土台の石の設置作業。ユンボを操るのは、昔土木建築会社で様々な工事に関わってこられた方、元浜誼(よしみ)さん。

 

前島キャンプに到着早々、すごい光景が目に飛び込んできました。ユンボ(油圧ショベル)が大きな花崗岩を吊り上げて軽トラックの荷台に載せようとしている光景です。この島には花崗岩の採石場跡地があり、そこから切り出された石が大阪城の城壁にも使われています。前島キャンプ敷地内にも立派な花崗岩が沢山あるため、ここの石を使うことを私が希望し、元浜さんが、石碑の土台に相応しいたたずまいの石に白羽の矢を立てて下さっていました。秋の陽が燦々とふりそそぐ中、私は、土台の石が設置される様子を最後まで見学しました。

いよいよ大理石を食堂の建物2階にある作業場へと運びます。前島キャンプの広々とした大食堂が、私に用意してくださった作業場でした。キャスター付きの台に載せられた石は、料理を上げ下げするためのリフトを使って無事に2階へと運ばれました。ここのベランダから見渡す島影と瀬戸内の海の美しいこと!刻々と表情を変えるこの景色を前にして、レターカッティング作業が始まりました。


左から 海を見渡す食堂。
    祈りの丘に近い角に石を置いて作業開始。生島さんと。
    表側のトレース完了。

 

表面デザインのトレース後、まず十字架部分から取りかかりました。石は寝かせた状態です。十字架部分が彫り終わるまではこれで良いのですが、その先にひとつ不安の種がありました。レターカッティングは文字をVカットで彫る場合、通常、石をイーゼルに立てて彫っていきます。しかし、普段私が使っているイーゼルでこの石碑を彫れないことは明らかでした。取りあえず何とかなるだろうと問題解決を先送りにしていたところ、この日前島キャンプにたまたま立ち寄られた島の男性がこの石の話を聞き、頑丈なイーゼル状の台を作って下さることになりました。

十字架部分は、周囲を数ミリ彫り下げてから放射状に彫る段取りで進めました。彫り下げるのに2日半、放射状のVカットを仕上げるのに4日間。窓から差し込む陽ざしでキラキラと光る石の様子は何とも美しく、身体の疲れとは裏腹に、気持ちはいつもワクワクしていました。


十字架の周囲を彫り下げる。


光の線を描き、Vカットに彫る。


石を立てて彫るための頑丈なイーゼルが完成。石の重さで前に倒れないように角材を噛ませ、万力で固定した。写真中、立てているのはダミーで、本物の石はまだ台上に。

 

11月に入ってからの連休中、ちょうど石をイーゼルへと移し替える頃、前島キャンプには啓明学院卒業生のグループが遊びに来ていました。その若者達にも手を貸してもらって石を移動させることに。啓明学院理事長から快諾をいただいた時から完成まで、こうしてこの石碑には沢山の人が関わっていきました。

私は毎朝8時半に作業場へ行き、昼食は一旦家に戻り、また夕方5時半頃まで作業を続ける毎日でした。前島キャンプは島の高台にあり、前述したように、私の作業場は建物の2階にありました。祈りの丘のすぐ隣です。ほぼ1時間ごとにとる休憩でベランダに出て眺める景色は、言葉では言い表せないほど満ち足りた気持ちにさせてくれました。それは目に見える景色だけでなく、ふりそそぐ陽ざしや風などそこにあるすべてがそう思わせてくれていたのでしょう。私は石を仕上げるまでずっと、そのベランダで不思議なほどの幸福感を味わっていました。


ベランダからの眺め。

 

文字彫り開始
通常、文字は左下から彫り始めます。この石碑では「マタイによる福音書」と英語で書かれた小さな文字のMからです。小さな文字には小さな文字なりの難しさはありますが、十字架の線に比べると彫る量は僅かです。ここを終えるといよいよ本文。彫るのは左下のWからです。文字を彫り始めてから、解決したいことがまたひとつ出てきました。灯りの問題です。石を寝かせて彫っている間は陽ざしもあり、またライトを近くに置いても彫る邪魔にならずに作業できたのですが、状況が変わるとそうはいきませんでした。イーゼルを支える壁が後ろにあるので昼間でも灯りが必要になり、ライトのクリップを取り付ける高さのある物を探したり、いろんな角度に動かす腕の邪魔にならないような位置を考えたり、しばし試行錯誤しました。また、夕方になると私が持参していたライトでは光量が足りず、どうしたものかと辺りを見回した時、ちょうど良いものが目に入りました。ベランダの手すりに取り付けられていた投光器です。点けると十分な明るさだけでなく熱さもあって、冬に向かうこの季節にはこれが好都合でした。


ライトにも試行錯誤したが、文字の位置によって自分の高さを変えて彫らねばならず、立つ、座る以外に、平台やイスの上にひざまずいたりしながら彫っていた。安全靴は必須、膝当ても時々着用。

 

ライトに関して、もうひとつエピソードを思い出しました。彫る時のライトは、作業の都合上、いつも左斜め上から当てていました。ある時ふと「この光景は、石碑の建立後には見られないのだ」ということに気がつきました。目の前にある石には左側から当たる光で影ができています。祈りの丘に建立されると、石は、午後の半ば以降に当たる陽ざしを右斜め上から受けて陰影を見せることになります。今この時にしか見られない姿を前にして彫るというのは、どこかドラマチックな話です。しかしこのことで、右からも光を当ててチェックせねばならないことにも気がつきました。

さて、本文のWを彫り始めてみて「あぁ、太い文字はこれ程までに時間がかかるものか。しかもWはVを2回彫らねばならんのだ。」と、いきなりパンチの連打を浴びた気分でした。しかし最初に苦労する文字を彫るとその後の気の持ちようが違います。1日に彫れるのは3文字ほどでしたが、着々と前進していることに日々の達成感を味わっていました。本文にはトータル8日間取り組み、12月4日に彫り上げました。レターカッティングは終わり時が難しいといつも感じます。良い意味での諦め(対象物を自分の手から旅立たせる決断)が要ることを今回も改めて感じました。


大方彫り終えると拓本を採って細部を確認し、さらに手を加える。本文には計3回拓本を採って調整した。

 

SNSで外の世界とつながる
冬至へと向かうこの季節、作業を終える頃にはあたりは真っ暗です。かなり広い部屋の中で、石のある場所だけがひときわ明るく、聞こえるのは時折遠くで鳴く牛の声くらいでした。そんな中での私のルーティーンは、日々の進捗状況を写真に撮り、日本語と英語で説明文を付けてSNSにアップすることです(疲れて英語を割愛した日もありましたが)。国内外の多くの人が見て下さっていることや、いただくコメントがいつも作業の励みになっていました。「あなたはクリスチャンなのですか?」と海外の方から質問が届いたこともあります。私はキリスト教徒ではありません。海外の方には理解し難い宗教観かもしれませんが、私の実家は仏教でありながら祖父母がクリスチャンだったため、日曜日には礼拝に行き、家で賛美歌を合唱するような家庭で育ちました。この聖句を選んだのは、啓明がキリスト教の教えに基づいた学校であり、この句が啓明スピリットを表していることが大きな理由ではありましたが、父の生き様とも重なる馴染みのある言葉だったからです。その質問には簡単な内容の返答をしたところ、「いいね」だけが届いて安堵したことを思い出します。


表側が終わり、裏側へ。

 

石碑が陽を浴びた日 2016年1月3日
12月27日、私は彫りの最終作業をしに島を訪れていました。この日は啓明学院の理事長をはじめとする学校関係の皆さんが前島キャンプを来訪される日でした。この施設全体をご覧になる間に石碑の作業風景も見ていただきます。しかし困ったことがありました。本文は既に完成して石は裏を向いていました。小さな文字をご覧いただくだけでは少し残念です。そこで事前に、それまでに撮りためた写真を使って冊子を作っておくことにしました。簡単な作りではありましたが、最初の段階から本文が彫り上がるまでの流れを時系列でまとめた1冊です。当日、皆さんに作業の様子をご覧いただくと共に、本文を彫り終えるまでの経緯はこの冊子でご紹介しました。彫った文章と、明るく照らされた石に向きあう私自信の姿になぞらえて「ひかりへ」とタイトルを付けたこの冊子は、現在啓明学院の図書館に置かれています。

当初、年内の完成を目標に頑張ってきた作業は、元旦の休みをはさんで1月2日に無事完了しました。計25日間作業場にこもり、費やした時間の合計は150時間ほどです。完成の翌日、石は自然光が当たらなかった作業台からキャスター付きの台に移されました。石を陽の当たる窓辺まで運び、くっきりした陰影を目にした時、レターカッティングの真骨頂を見た気がしました。


左の2点は、左右違う方向から光を当ててみたもの。影の方向を変えて存分に鑑賞した。

 

啓明学院に石を寄贈するにあたっては「除幕式も行いましょう」と、理事長からありがたいお話をいただいていました。前島キャンプでは「啓明学院前島キャンプ感謝デー」という日を設けて、牛窓や島の皆さんを施設にご招待する催しを行っています。2016年3月26日に開催されるその集いで、皆さんにこの石碑をお披露目することが決まりました。残る作業の山場は石の設置です。

石の設置作業 2016年2月2日
冷え込みの厳しい2月2日、石碑を土台に建てる作業が行われました。この作業工程が私の最大の関心事です。土台石はすでに石碑のサイズに合わせてはつられており、金属の支柱が2本固定されていました。これらの作業を含め、設置の段取りと指揮をしてくださったのは元浜さんです。


左から 食堂から運び出される石碑。前島の屈強な男性、石を彫るイーゼルも作って下さった小野塚昌博さんと、石碑作り全般を通して生島さんと共にサポートしてくださった久保木誠さんのお力を借りて。
    設置の段取りをする元浜さん。
    石碑にもハンマードリルであけた穴が二箇所。

 

まずは設置のシミュレーションから。角材やフォークリフトも使った試行の結果、最終的には長いバールを使って屈強な男性2人で石を担ぎ、台座の金属支柱の上に降ろしていく方法に決まりました。


設置のシミュレーション

そして本番。土台と石碑両方に接着剤を付け、石碑を支柱にはめていきます。設置後、接着剤が固まらぬうちにと、何度も水平機で確認しながら木枠での固定作業が手際よく行われ、ようやく土台の上に建った石をゆっくり眺める間もなく、ブルーシートがかけられました。石はまだ「すっぴん」状態なので、雨や潮風から守ってあげながら、完全に固定するのを待ちます。雪もちらつく中の作業でした。


設置作業

 

2月16日、比較的暖かで晴天が続きそうなタイミングを見計らって島を訪れました。彫った文字の中には石の粉が残ったままになっているので、石を洗わねばなりません。歯ブラシを使って石粉をかき出していきます。数日乾燥させた後、念のためにコーティング剤を塗っておきました。大理石は酸に弱いこと、そして冬場の凍害も心配してのことです。欧米では、コーティング剤を塗ることはあまり一般的ではないようですが、雨の多い日本の天候と海に近い立地を考慮しました。


石を洗った2日後、コーティングは前職が塗装会社社長の生島さんにお任せで。

 

除幕式 2016年3月26日
桜が咲き始める中、啓明学院主催「前島感謝デー」の食事会に先立ち、夕方5時から『前島キャンプ石碑寄贈感謝礼拝』が祈りの丘で行われました。牧師先生のお祈りとお話、そして瀬戸内市長も同席されての除幕式。学校から感謝状もいただきました。父が他界してから1年、啓明学院に石碑寄贈のお話を打診してからちょうど半年です。その間にどれほどの方々にご支援いただいたことでしょう。偶然のような出来事も沢山ありました。そして、その全ては何か目に見えない力に導かれていたように思います。


石碑は布にくるまれ、感謝礼拝が始まった。天候に恵まれたことにも感謝。除幕式の後、元浜さん、そして母と私が啓明学院からの感謝状を尾崎理事長より頂戴した。

 

こうして石碑は、祈りの丘の景色の中におさまりました。父はきっと照れ笑いを浮かべながらこの式典を空から見ていたことでしょう。この石碑が、この場所を訪れる皆さんに見守られ、また皆さんを見守り続ける存在でありますようにと願いながら・・・。

最後に「これがどういう石碑なのか、またお父様はどういう方だったのか、見る人誰でもが分かるような短い説明を銘板に入れましょう。」と言って下さった理事長のお言葉を受けて、勇気と知恵を振り絞って短文を用意しました。その銘板の写真をご覧いただき、このお話の締めくくりといたします。

啓明学院関係者の皆さま、牛窓、前島の皆さま、ご協力くださった全ての皆さまに心より感謝申し上げます。

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啓明学院前島キャンプについてはこちらから
http://www.keimei.ed.jp/n_aboutschool/aboutschool.html

<プロフィール>
清水裕子
兵庫県芦屋市在住。カリグラファー、レターカッター。ボストンに在住していた1994年にカリグラフィーを始める。2009年からレターカッティングをゴードン恵美に師事。2017年からJ-LAF主催ゴードン恵美レターカッティング入門ワークショップの講師アシスタント。カリグラフィーで培った文字の知識と経験を石にも展開している。三戸美奈子著『カリグラフィー・ブック』(誠文堂新光社、2011年)協力、及び、同著の増補改訂版(2017年)では「文字のドローイング」の章を執筆。レターアーツ専門誌『Letter Arts Review』(John Neal Bookseller)年鑑掲載や海外展覧会招待展示、海外カンファレンス参加など、国内外で活動している。
スタジオレターアーツ主宰
NPO法人ジャパン・レターアーツ・フォーラム副代表理事
ウェブサイトhttps://studio-letterarts.com

マニー・リン カリグラフィー ワークショップ受付状況

マニー・リン カリグラフィー ワークショップの受付状況についてご報告いたします。

1月7日(月)現在の空席情報です。
既に空席待ちになった講座もございますので、ご注意ください。

■東京会場
異文化の融合によるカリグラフィーの表現(定員16名) 空席 
緩急に富んだイタリック体<書体の習得から作品のデザインまで>(定員18名) キャンセル待ち 1
スライドレクチャー(定員35名)  空席 11

■大阪会場
フォールデットペンを使った表現(定員18名)  空席 
LINZ'sバリエーション&緩急に富んだイタリック体<2書体習得クラス>(定員18名) キャンセル待ち 1
スライドレクチャー(定員30名) 空席 

受付のタイミングで、席が埋まってしまった場合には、ご了承ください。
引き続き、お申し込みをお待ちしております。

 お申し込みページはこちら

ワークショップ担当: 久賀 真弓

マニー・リン カリグラフィーワークショップ 東京会場決定のお知らせ

未定(東京23区の予定)となっていました、マニー・リン カリグラフィーWS④の東京会場が決定いたしましたので、お知らせいたします。

【WS④ 緩急に富んだイタリック体 Impetuous Italic <緩急をつけたイタリック体の習得から作品のデザインまで>】

日程:2019年4月23日(火)・24日(水) 10:00 – 16:30
会場:国立オリンピック記念青少年総合センター カルチャー棟 美術室

https://nyc.niye.go.jp/

■ 小田急線「参宮橋」駅から徒歩7分程度
■ 東京メトロ千代田線「代々木公園」駅から徒歩10分程度

2018年12月25日現在、このWSには空席が1つございます。ご興味のある方は、早めにお申し込みください。よろしくお願いいたします。

ワークショップ担当 久賀  真弓

マニー・リン カリグラフィー ワークショップ受付状況

12月10日(月)22:00にJ-LAF会員優先受付、続いて17日(月)より一般受付を開始いたしましたマニー・リン カリグラフィー ワークショップの受付状況についてご報告いたします。沢山のご申込みをいただき、ありがとうございます。

12月21日(金)現在の空席情報です。
既に空席待ちになった講座もございますので、ご注意ください。

■東京会場
異文化の融合によるカリグラフィーの表現(定員16名) 空席 
緩急に富んだイタリック体<書体の習得から作品のデザインまで>(定員18名) 空席 1 
スライドレクチャー(定員35名)  空席 13

■大阪会場
フォールデットペンを使った表現(定員18名)  空席 
LINZ'sバリエーション&緩急に富んだイタリック体<2書体習得クラス>(定員18名) キャンセル待ち 1
スライドレクチャー(定員30名) 空席 10

受付のタイミングで、席が埋まってしまった場合には、ご了承ください。
引き続き、お申し込みをお待ちしております。

 お申し込みページはこちら

ワークショップ担当: 久賀 真弓

マニー・リン カリグラフィーワークショップ一般申込み受付スタート

12月17日(月)22:00より、マニー・リンWS一般申込みをスタートいたします。
各講座の空席状況はこちらにてご確認のうえ、お申込みください。お申込みの時点までに、空席数が変わる場合もございますが、ご了承ください。
みなさまのご参加をお待ちしております。

☛ お申し込みはこちらから

■申込み方法

申込みフォームに必要事項をもれなく記載のうえ、送信してください。先着順にて受付けます。

※申込みフォームは、このお知らせの掲示と同時に入力ができるようになりますが、受付け開始時刻の22:00より前の受付には会員番号が必要です。ご留意ください。

※直接メールをいただいてもお申込みはできません。必ず、リンクされた申込みフォームでお申込みください。

※申込みフォームより送信後、自動返信メールが届きます。
1時間経過しても自動返信メールが届かない場合は、お手数ですが、workshop◎j-laf.orgまでご連絡をお願いいたします。(◎ を @ に変換してください。)
ご連絡いただく際は、送信データとの照合のため下記1〜3を明記してください。
1:送信日時 2:お名前 3:メールアドレス

※直接メールをご送付いただいてもお申込みはできません。ご注意ください。

※スマートフォンから申込みをされる場合、画面操作に問題が無ければ申込みは可能ですが、ご案内のメールには添付ファイルが含まれる場合がありますので、連絡先のメールアドレスには、添付ファイルを受信可能なアドレスをご指定ください。

■締切り日

2019年1月14日(月)  24:00まで
受付の状況は、J-LAFのウェブサイトにて随時アップデートいたします。締切日以降に定員に空きがある場合には、その後の申込みも受付けます。空きの有無はJ-LAF ウェブサイトでお知らせします。

【お支払い時の注意事項/Important Note on Payment of Participation Fee】

■受講料を銀行振込にてお支払いただく場合、発生する振込手数料はご自身の負担でお願いいたします。お支払い手続きの際に、「振込人負担」をご選択ください。
If you pay your participation fee by bank transfer, please kindly be advised that bank charge for wire transfer should be paid by remitter. In payment procedure, please choose “Charge to remitter”.

■海外からの参加申込で、お支払いにペイパルを利用される場合、お支払いに係る手数料を上乗せしたご請求書をお送りいたします。受講料+お支払手数料の合計額でお支払いをお願いいたします。
If you pay your participation fee via PayPal, please kindly be advised that payment process charge on PayPal should be added on your participation fee. In this case, J-LAF will send you an invoice with total amount of your participation fee and payment process charge via PayPal. Please pay the total amount on your invoice.

マニー・リン カリグラフィー ワークショップ受付状況

12月10日(月)22:00にJ-LAF会員優先受付を開始いたしましたマニー・リン カリグラフィー ワークショップの受付状況についてご報告いたします。沢山のご申込みをいただき、ありがとうございます。

12月16日(日)現在の空席情報です。

■東京会場
異文化の融合によるカリグラフィーの表現(定員16名) 空席 
緩急に富んだイタリック体<書体の習得から作品のデザインまで>(定員18名) 空席 
スライドレクチャー(定員35名)  空席 15

■大阪会場
フォールデットペンを使った表現(定員18名)  空席 
LINZ'sバリエーション&緩急に富んだイタリック体<2書体習得クラス>(定員18名)空席 
スライドレクチャー(定員30名) 空席 18

受付のタイミングで、席が埋まってしまった場合には、ご了承ください。
引き続き、お申し込みをお待ちしております。

 お申し込みページはこちら

ワークショップ担当: 久賀 真弓

マニー・リン カリグラフィーワークショップ申込みスタート

マニー・リン カリグラフィーワークショップの申込みをスタートします。
賛助会員と一般の方の申込み開始日が異なります。詳細は下記をご覧下さい。

マニー・リン カリグラフィーワークショップでは、東京・大阪で内容の異なる4講座とスライドレクチャー(各1回)を開催いたします。スライドレクチャーは両会場にて同じ内容の開催となります。詳細は12月3日NEWSに掲載の申込要項にてご確認ください。

みなさまのご参加をお待ちしております。

☛ お申し込みはこちらから

【申込み方法】

上記リンクから申込みフォームにアクセスし、必要事項をもれなく記載のうえ、送信してください。先着順にて受付けます。

※申込みフォームは、このお知らせの掲示と同時に入力ができるようになりますが、受付け開始時刻の22:00より前に送信されたものは無効になりますので、ご留意ください。

※直接メールをいただいてもお申込みはできません。必ず、リンクされた申込フォームでお申し込みください。

※スマートフォンから申込みをされる場合、画面操作に問題が無ければ申込みは可能ですが、ご案内のメールには添付ファイルが含まれる場合がありますので、連絡先のメールアドレスには、添付ファイルを受信可能なアドレスをご指定ください。

※申込みフォームより送信後、自動返信メールが届きます。
●1時間経過しても自動返信メールが届かない場合
お手数ですが、workshop◎j-laf.orgまでご連絡をお願いいたします。(◎ を @ に変換してください。)
ご連絡いただく際は、送信データとの照合のため下記1〜3を明記してください。
1:送信日時 2:お名前 3:メールアドレス

■申込み開始日

優先受付:2018年12月10日(月) 22:00受付開始
賛助会員(フレンズメンバー/サポーティングメンバー)のみ対象

※優先受付でのお申込みは、12月10日の受付開始時点で賛助会員であることが確認できる方に限られます。
※優先申込みの際には会員番号が必要となります。(当日の会員番号確認受付は不可)
※会員番号の入力がない場合には、「一般」受付の対象となり優先受付から外れますので、ご注意ください。

一般受付:2018年12月17日(月)22:00受付開始

■締切り日

2019年1月14日(月)  24:00まで
受付の状況は、J-LAFのウェブサイトにて随時アップデートいたします。
締切日以降に定員に空きがある場合には、その後の申込みも受付けます。空きの有無はJ-LAFのウェブサイトでお知らせします。

■キャンセルについて

受講料・参加料の支払期限までにお振込みがない場合には、受講はキャンセルとみなし、キャンセル待ちの方に順に連絡させていただく場合がありますのでご注意下さい。ご旅行など、お振込が間に合わない事情のある場合には、前以ってご連絡をお願い致します。振込後のキャンセルについては原則として返金をいたしません。ただし、次の受講者がいる場合には、1,000円を差し引いた残りの金額を受講者の調整が終了した時点でご返金いたします。

【お支払い時の注意事項 / Important Note on Payment of Participation Fee】

■受講料を銀行振込にてお支払いただく場合、発生する振込手数料はご自身の負担でお願いいたします。お支払い手続きの際に、「振込人負担」をご選択ください。
If you pay your participation fee by bank transfer, please kindly be advised that bank charge for wire transfer should be paid by remitter. In payment procedure, please choose “Charge to remitter”.

■海外からの参加申込で、お支払いにペイパルを利用される場合、お支払いに係る手数料を上乗せしたご請求書をお送りいたします。受講料+お支払手数料の合計額でお支払いをお願いいたします。
If you pay your participation fee via PayPal, please kindly be advised that payment process charge on PayPal should be added on your participation fee. In this case, J-LAF will send you an invoice with total amount of your participation fee and payment process charge via PayPal. Please pay the total amount on your invoice.

WSに関する質問、ご意見はworkshop◎j-laf.orgへお願いいたします。
(※◎を@に変換してください。)

ワークショップ担当: 久 賀 真 弓

マニー・リン「カリグラフィーWS」2019 詳細・申込み要項のご案内

マニー・リン カリグラフィーワークショップの詳細及び申込み要領を、ご案内いたします。
賛助会員と一般の方の申込み開始日が異なります。詳細は下記でご確認ください。
みなさまのご参加をお待ちしております。

【申込み方法】

申込み開始日に「NEWS」ページに申込みフォームが掲載されます。
必要事項を漏れなく記載の上、送信してください。先着順にて受付けます。

※申込みフォームは、優先受付け開始日の20:00を目途に入力ができるようになりますが、受付け開始時刻の22:00より前に送信されたものは無効になりますので、ご留意ください。

※申込みフォームより送信後、自動返信メールが届きます。
1時間経過しても自動返信メールが届かない場合は、お手数ですが、workshop◎j-laf.orgまでご連絡をお願いいたします。(◎ を @ に変換してください。)
ご連絡いただく際は、送信データとの照合のため下記1〜3を明記してください。
1:送信日時 2:お名前 3:メールアドレス

※直接メールをご送付いただいてもお申込みはできません。ご注意ください。

※スマートフォンから申込みをされる場合、画面操作に問題が無ければ申込みは可能ですが、ご案内のメールには添付ファイルが含まれる場合がありますので、連絡先のメールアドレスには、添付ファイルを受信可能なアドレスをご指定ください。

 

■申込み開始日

優先受付:2018年12月10日(月) 22:00受付開始
*****賛助会員(フレンズメンバー/サポーティングメンバー)対象

※優先受付でのお申込みは、12月10日の受付開始時点で会員番号を保有し、賛助会員であることが確認できる方に限られます。
※優先申込みの際には会員番号が必要となります。
会員ご登録の際にお送りしているメールに番号が記載してありますので、事前にご確認ください。
会員番号の入力がない場合には、「一般」受付の対象となり優先受付から外れますので、ご注意ください。
会員番号がわからない場合には、membership◎j-laf.orgまでお問い合わせください。(◎を @ に変換してください。)確認は、前日までにお済ませください。申込開始当日の会員番号確認には対応できませんので、予めご了承ください。

≪会員番号取得にかかる注意事項≫
優先申込みのために新規で会員申込を希望される場合、年会費入金の確認を要するため、お申込みから会員番号の発行までには数日かかります。今回のワークショップ申込み受付日程に間に合う会員番号取得は、12月7日(金)までに会費の入金を完了できることが条件となります。

一般受付:2018年12月17日(月)22:00受付開始

■締切り日

2019年1月14日(月)  24:00まで
受付の状況は、J-LAFのウェブサイトにて随時アップデートいたします。
締切日以降に定員に空きがある場合には、その後の申込みも受付けます。空きの有無はJ-LAF ウェブサイトでお知らせします。

【ワークショップ・スライドレクチャー概要・開催日程・会場・受講料】

○参加者に必要なスキルの目安:各コースの詳細の中に提示がありますので、ご確認ください。
○全日程に、和英通訳によるサポートが付きます。
〇未確定の東京会場につきましては、決定次第J-LAFウェブサイトにてお知らせいたします。

ワークショップ・スライドレクチャーの内容についてはこちらでご確認ください。(PDF)

 

■ ワークショップ ■

WS ① フォールデットペンを使った表現 Folded Pen Writing

開催日時:2019年4月13日(土)・14日(日)
*****10:30~17:00
会 場:enoco 大阪府立江之子島文化芸術創造センター Room 8
****http://www.enokojima-art.jp/
定 員:18名
受講料:19,000円

WS ② LINZ'sバリエーション & 緩急に富んだイタリック体
(2書体習得クラス)
Linz’s Variations & Impetuous Italic – Study of Letter Style

開催日時:2019年4月15日(月)・16日(火)
*****10:00~16:30
会 場:エル・おおさか(大阪府立労働センター)研修室1
****http://www.l-osaka.or.jp/pages/access.html
定 員:18名
受講料:19,000円

WS ③ 異文化の融合によるカリグラフィーの表現 Cross Cultural Calligraphy

開催日時:2019年4月19日(金)~21日(日)
*****19日(金)10:00~16:30
*****20日(土)10:00~16:30
*****21日(日) 9:30~16:00
会 場:タワーホール船堀 307会議室
****http://www.towerhall.jp/
定 員:16名
受講料:30,000円

WS ④ 緩急に富んだイタリック体 Impetuous Italic
<緩急をつけたイタリック体の習得から作品のデザインまで>

開催日時:2019年4月23日(火)・24日(水)
*****10:00~16:30
会 場:未定(東京23区内の予定)
定 員:18名
受講料:19,000円

※ 会場は決まり次第、お知らせいたします。

 

■ スライドレクチャー ■

タイトル:境界を越えて - Dr.マニー・リンのカリグラフィー
Crossing Boundaries – The Calligraphic work of Dr. Manny Ling

 

<大阪会場>
開催日時:4月13日(土) 18:00 – 19:30
*****開場 17:30 ※ 当日のワークショップ終了後、継続して実施
定 員:30名
参加料:スライドレクチャーのみに参加の場合 1,000円
会 場: enoco大阪府立江之子島文化芸術ンター Room 8
****http://www.enokojima-art.jp/

<東京会場>
開催日時: 4月20日(土)18:00 ― 19:30
*****開場 17:30 当日のワークショップ終了後、継続して実施
定 員:35名
参加料:スライドレクチャーのみに参加の場合 1,000円
会 場:タワーホール船堀 307会議室
****http://www.towerhall.jp/

■キャンセルについて

受講料・参加料の支払期限までにお振込みがない場合には、受講はキャンセルとみなし、キャンセル待ちの方に順に連絡させていただく場合がありますのでご注意下さい。ご旅行など、お振込が間に合わない事情のある場合には、前以ってご連絡をお願い致します。振込後のキャンセルについては原則として返金をいたしません。ただし、次の受講者がいる場合には、1,000円を差し引いた残りの金額を受講者の調整が終了した時点でご返金いたします。

WSに関する質問、ご意見はworkshop◎j-laf.orgへお願いいたします。
(※◎を@に変換してください。)

ワークショップ担当: 久 賀 真 弓

「~トニカク文字イリ~ Christmas + Christmas展 in 関西 2018」出展者のお知らせ

「~トニカク文字イリ~ Christmas+Christmas展 in 関西 2018」
出展してくださる方のお知らせです!

今回も30名以上の方がご参加くださいます。
どんな文字入りの雑貨たちが集まるか楽しみです!

【会期】2018年11月28日(水) ~ 12月2日(日)

11:00~19:00 (初日14:00~)

【会場】アートカクテル

〒530-0041 大阪市北区天神橋2丁目北1-1
TEL:06-6358-0158
http://www.art-cocktail.net/

<出展者の皆さま>

片山 雅穂 カード・布小物
Ronron&優花 パーチメントクラフト・グラスアート・クレイクチュール・カリグラフィー
atelier Lunar rainbow ペーパークラフト作品、カードなどの雑貨
Office-Gemini ポストカード & 紙物雑貨
Kinu カード カルトナージュ雑貨
atelier anzy anzy カリグラフィーグッズ(ワイヤー製・ガラス製)クリスマスカード
伊村久美子 ペーパークラフト
清水裕子 石作品(小さいもの)、クリアフォルダ、紙もの
DELiCALLi+(デリカリ) ペーパーアイテム、レザーアイテム予定
mimimano カード
田渕 真紀 カード
本のアトリエEIKO 手作り製本と箱
白谷 泉 カード/雑貨/額作品
kyon クルミボタン
Lettre de fleur インテリア雑貨(樹脂プレート・ボトル・カードなど)
atelier ROSE & SATY 豆本
pentoknit 編み物など
ぎむれっと 編み物小物とカード、クロスステッチ小物
なかせ ちあき ハーバリウム、カリグラフィー、おし花アート
ummoca tree
(ウモッカ ツリー)
カリグラフィー用の木工道具(ペン軸等)他
三戸美奈子 マスキングテープ、ふせん
アトリエ きい ペーパーフラワーをメインにしたカード、リースなどのペーパークラフト作品
伊藤幸恵 & 久賀真弓 スイーツと文字の組合せ
前西まどか カルトナージュ作品(ニブケース、レターボックス等)
北見 都 グリーティングカード
FUFU's
(藤森 薫、深谷友紀子)
カード、一点もののミニ作品など
セントイロ
by Eiko Ichizawa
アクセサリー、ポストカード
Chiyomi* カード・くるみボタン
taeco カード・ハーバリウム
籔本准子 カリグラフィー雑貨
PRECIOUS PIECES カード・カリグラフィー雑貨
Adelheid ボタニカルランプ  ( ハーバリウムのオイルランプ )
カリグラフィー猫花 カリグラフィー雑貨

マニー・リン「カリグラフィーWS」2019

» マニー・リン「カリグラフィーWS」2019 開催概要
» マニー・リン「カリグラフィーWS」2019 レポート

ワークショップレポート

「マニー・リン カリグラフィーワークショップ」レポート掲載にあたって

「桜の盛りに間に合うかしら?」・・・間に合いました。そんなタイミングで、4月の初めにマニー・リン氏は来日し、ワークショップは大阪会場からスタートしました。韓国・台湾からの参加者もあり、ワークショップの内外で国際的な交流が見られました。マニーは、優しく、温かく、多様な参加者それぞれにアドバイスをし、1歩踏み出すきっかけを与えてくれました。そんな時間を共有してくださった参加者の方々、通訳の方、そして講師のマニー、全員に対し深く感謝しています。どうもありがとうございました。

参加者の中から、浪本 浩一さんに「フォールデットペンを使った表現」、西上泉さんに「LINZ'sバリエーション &緩急に富んだイタリック体」、斎藤 朋恵さんに「異文化の融合によるカリグラフィーの表現」、林順子さんに「緩急に富んだイタリック体」について、ワークショップ体験レポートを書いていただきました。ご協力ありがとうございました。そして、僭越ながら、スライドレクチャー参加のレポートを私が書かせていただきました。

マニーと学んだことが、皆さんの創作活動の中で、何かのヒントとなり、より充実したものとなっていきますよう願っています。

ワークショップ担当: 久賀真弓

*  *  *  *  *  *  *  *  *

●スライドレクチャー参加レポート  久賀真弓

私は、スライドレクチャーに参加したレポート担当なのですが・・・・、最初に。
私が初めてMannyと会ったのは、2003年にイギリスのワークショップでMannyのクラスを受講した時でした。参加後に、私が国内で書く海外でのワークショップ体験レポートに記載する写真の許可をいただくために、メールでコンタクトしました。反対に、日本でのカリグラフィーの様子をレポートに書いて欲しいとの依頼を受け、必死に英語で書いて、翻訳の専門家であるカリグラファーの友人に添削してもらって提出したことは、とても懐かしい思い出です。
そこからずっと、細くなったり、太くなったりしながら続いてきたMannyとの繋がりは、2014年3月のノルウェー・ベルゲンで参加した作品展を経て、2017年11月の京都でのシンポジウム開催に到りました。そして、今回、Manny単独のワークショップを日本で開催することができました。

Mannyの表現するもののベースには、複数のコンテンツが敷かれていると思います。特に、東洋・西洋の両方の文化の中で培われた感覚が、作品の中で色々な形で表現されています。いずれの文化も奥が深く、全く別のもののようでいて、どこか共通する始まりを持っていたりしますが、更にそこに、時の流れの違いや技術の進歩による表現の違いが載ってきます。スライドレクチャーの中では、そういった様々なものを表現した作品を見せていただきました。
また、Mannyが、いつ、どのように、書道やカリグラフィーに出会って、生涯付き合っていく存在になっていったのかも語られました。時にコミカルな表現で笑いを誘いながら、「突き詰めるほど拘って取り組む」ものがあることの喜びのようなものを、参加者に伝えてくださったように思います。

MannyのBamboo Scriptが生まれた経緯と、大切なモデルの鉢植え「Lola」の話は、参加者の記憶に残るトピックでした。行方不明だったLolaが帰ってきて、驚くやら、キュンとするやら。でも、Lolaは2つになってしまったとか(笑)。確かに、Bamboo Scriptのストロークの曲がり方は、Lolaの葉の曲がり具合をなぞらえていました。

話を聞きながら、MannyがBamboo Scriptを作っていた頃に、電話会議での相談があり、書いている音だけ聞かせてもらったことを思い出しました。シャッ、シャッ、と、ペンが紙を擦る音だけが聞こえて、シャッ、シャッ、と、書くのね・・・と、想像したのでした。Bamboo Scriptを書くときには、この音が聞こえます。

今回のMannyの来日では、彼が長く希望していた「日本に家族を連れてくること」が実現しました。2人のお子さんたちは、これまで、彼の仕事の場を直接見たことがなかったのだそうです。東京のスライドレクチャーがその初めての機会となりました。レクチャーの最後に質疑応答があると伝えると、会場へ向かう電車の中で、2人の質問選びが始まり、とても楽しそうに会話が弾んでいました。実際に、2人は良い質問をお父さんへ投げかけました。少し気恥しそうに、でも、きちんと回答しているMannyは、とてもハッピーだったのではないでしょうか。

色んな講師の方に来ていただき、教えていただく度に、その方の芸術家としての成り立ちや素晴らしさを感じます。今回、Mannyは、表現の自由や融合、1つのことを突き詰める素晴らしさ、自分で取り組むための方法などを、彼の表現を通して教えてくれました。また、彼の思いやりに溢れた教え方は、参加者に温かい学びの場を提供してくれました。レポートの末尾ではありますが、Mannyに沢山の感謝を送りたいと思います。
ありがとう!!! Manny!!!

Manny手書きの各クラスの参加者リスト兼テキストの表紙 - 各クラスの最後に抽選で参加者が受領

●「フォールデットペンを使った表現」WSレポート  浪本浩一

普段からコーラペンはよく作っていて、上手く書けない意外性を楽しんでいるのですが、そうは言ってもちゃんと使いこなせたほうがよいに決まっています。なので、このWSでフォールデットペンのあれこれを学べることにワクワクしていました。

まずはマニーの挨拶から。「このワークショップのテーマはCrossing boundaries。国境を越えること。デザインは計画的で合理的なもの。でもアーチストは何かを表現しようとしている。このデザインとアートを一緒にすることがテーマです」。いったいそれはどういうことなのだろう。難しそう、、。でもマニーは終始ニコニコしていて、冗談もまじえながら和やかにはじまりました。ペンの持ち方、使い方などのレクチャーのあと、自分たちで作ったフォールデットペンと、マニーが参加者のために用意した固めの素材を使ったフォールデットペンを使ってストロークの練習です。

ペン先が大きいために均一な圧力で書くのが難しく、またインクも出過ぎたりして悪戦苦闘。線の角度もなかなか揃いません。角度は揃っていたほうがよいのですが、マニーからは「角度ばかり気にするよりは見た目が大事」という話がありました。

マニーが書いているのを見ていると、彼の手首の柔らかさ、腕全体のしなり、体全体の動きに目がいきます。体を使ってリズムのある文字が書いていく。その身体性がいつもマニーから感じられました。

「フォールデットペンはそれぞれが違うから、ペンとのコミュニケーションが大事」とマニー。そう、じゃじゃ馬的なフォールデットペンを克服しようとかではなくて、ペンと自分との対話、そしてお互いが一体になれるかどうか、これが大事なポイントのようです。

そして各自がアルファベットを書く練習へ。ここでは文字を書く時にあえて角度や大きさに変化を付けるようにすることで、参加者のみなさんの文字が個性的になっていきます。

文字の練習の後は、作品作りに向けてのマニーの実演です。迷いなくどんどん書いていきます。書くスピードが速いので紙面構成を考えているようには見えません。でも書き上がると全体がきれいに構成されているから不思議です。マニーが言うには、体の中から生み出されるエナジー、東洋的で言えば「気」で書いているとのこと。それを聞くと“ああ、自分は修行が足りんすぎる”と平身すると同時に、これがアーチストなんだ、と分かりました。マニーが「音をよく聞いて」と言っていたのも印象的でした。ペン、インク、紙、体から発せされるものを感じ取り、そこからエネルギーを生み出していく。そういえば「西洋人より東洋人のほうが理解しやすいんじゃないかな」とマニーが言ってたことを思い出しました。なるほど確かに東洋的な思想かもしれません。私はアジア人ですから少しは希望が持てますね(笑)。しかしこのあたり、香港生まれのイギリス育ちであるマニーの神髄なのかもしれません。

初日の後半からは各自が作品作りに向けて試行錯誤していきます。私はイタリック的なアプローチで書き始めていたのですがどうも単調に書いてしまうので、そのことを相談。マニーは参考にいくつかのバリエーションをすらすらと書いていきます。ただすごいなぁと感心してしまいました。
2日目は、イタリックから路線変更してフォールデットペン表現の1つとしてマニーが紹介していた太細のコントラストを活かしてみることにしました。

そうこうしているうちに早くもWSは終了。みなさんの作品を集めて鑑賞です。

講評では、それぞれの作品についてのコメントとともにトリミングのバリエーションについても検証していきます。このあたりにはグラフィックデザイナーであるマニーの視点がよく現れていました。

ちなみに私の作品については「オーガニックな表情が興味深いですね」とのこと。長所を伸ばせとよく言いますから、これから私はオーガニックなアプローチを追求していきたいと思います(笑)。でも改めて見てみると湧き出るエネルギーよりはデザインが勝っているかもしれません。マニーの言う“Crossing boundaries”な感覚とは何か、今後も考えていきたいと思います。

WSの最後に、マニーから参加者に向けて「これで終わるのではなく、練習を続けていってください。私も数十年かけてようやく今、このようにできるようになったのです」とのメッセージがありました。本当にその通りです。近道などありません。しっかり練習しないといけないのです!
今回、このような学びと気づきの機会を与えていただき、マニーおよびWSを準備してくださったみなさまに感謝感謝です。ありがとうございました!

●「LINZ’sバリエーション&緩急に富んだイタリック体(2書体習得クラス)」WSレポート  西上泉

マニー・リン氏を講師に迎え、大阪での2日間のWSに参加致しました。
マニーの作品やお顔、経歴はもちろん存じ上げていましたが、大阪でのスライドレクチャーも拝見できず、WS初日がマニーとの初対面。やはり同じアジアの血、大変親しみやすい。そして穏やかな中にキラリと光る鋭い眼差しが印象的でした。マニーが語られた、色んな体験談が濃いもので精神的にとても実りの多いWSでした。

マニーのイタリックへの思いは大変強く、ある時はひたすらピーター・ソーントンのイタリックをトレースし、また、1990年代にはもうこれ以上何もすることが無いくらいまでイタリックを学び書いていらした頃にデニス・ブラウンのWSに参加し、別の方法でイタリックにアプローチできるのではと感じたこと。結果を考えずに素早く書いてみたり(彼はNaughty Italic やんちゃなイタリックと呼んでいらした)、フォーマルイタリックのルールを沢山破ったりして、自分独自のイタリックを見つけるに至ったこと。
また例えばゴシックは人々にアピールすることが少なくイギリスにおいてはドイツを思い起こさせる書体であるのに対して、イタリックは世界のどこの人にでもアピールできるのも好きな理由の一つである事。
練習、練習、練習を重ねて一つを極めなさい!そうして自分の好きなスクリプトを見つけなさい!私の好きなスクリプトがイタリックであるように!・・・などと熱く語られました。

2日間のWSは、1日目にLINZ’sバリエーション、2日目に緩急に富んだイタリックImpetuous Italicを習得するというもの。文字の習得の説明は難しく多くは記述できないので、かいつまんでWSの模様をレポートいたします。

LINZ’sバリエーションはドイツのグラフィックデザイナー、カリグラファーのAlfred Linzのイタリックのバリエーション。マニー御自身はCarl RohrsからLINZ’sバリエーションを学んだそう。1日目にそのことを伺ったので家に帰って、2008年にCarl RohrsのWSを受けた際の資料を見直すと、なるほどLINZ’sバリエーションのイタリックがありました。しかしマニーがおっしゃるようにバリエーションと言うのはどんどん変化していくもの。マニーとCarlのLINZ’sバリエーションにも、すでにそれぞれの個性があってこれはなかなか面白いです。マニーとCarlに学んだことで、Linzのイタリックが書き手によって変わっていくのを目の当たりにすることができました。

マニーは、とても論理的で丁寧に教えて下さる方。デモンストレーションも大変分かりやすい。講師によっては、どんなに頑張っても私には書けそうもないすごいデモンストレーションを披露してくださって、それはそれで興奮して好きな反面、WS自体は刺激を受けに行っただけ、というのもあるのですが、マニーの教え方は本当に親切で、家に帰ってからでも、自分さえやる気があれば復習出来るように教えて下さったのには感心しました。

1日目 LINZ’sバリエーション。オートマチックペン(マニーがおっしゃるに柔らかい)3A、またはパラレルペン(マニーがおっしゃるにペン先が短いから固い)6、あるいはマニーが持ってこられたEZA Pen by Alan Ariallなどの太いペン先で、i,l,hなどに共通する縦のラインから練習します。フォールデッドペンでも同じ扱いが出来て、よりダイナミックになるというのもデモで見せていただきました。
写真①下参照(写真はすべてマニーがWSで書かれたもの)

どの書体でもそうですが、太いペン先は粗が見えて本当に良いですね。後で小さなペン先で書くのが楽になります。文字の継ぎ目の白い部分やセリフの足りないところは、後から埋めればよいので、とりあえずどんどん練習します。このLINZ’sバリエーションは斜めに切り取ったような縦のストロークの止め方、そして楔形で次の文字に繋がっていくのが一番の特徴(写真②参照)なのですが、マニーの言う“ダイナミック”な表情を出すまでには、ダイナミックと言う言葉とは裏腹に、かなり丁寧に練習を積まないといけません。「真面目にこつこつ丁寧に」が大前提です。

徐々に“ダイナミック”さを加え、ある程度書けたら文字を上下に振って書く練習(写真①上中参照)。マニーからは「バリエーションだから色々試してみなさい。」と何度も言われました。1日目の最後に、唐突に「小さいペン先で書いて」と言われ、咄嗟に持ち物リストにミッチェルと書かれていたので、普段ブラウゼしか使わない私がミッチェルで書いたのですが、次の日の朝、マニーが、「小さなペン先はブラウゼかスピードボールがいいね」とおっしゃったので、ニブの種類を尋ねればよかった・・・・WSでは何事も臆せず尋ねないと駄目だと思った次第です。ミッチェルでは、LINZ’sバリエーションの雰囲気が私は出なかったのです。たった2日のWSですから、些細なことでも有効にしたかったです。

2日目Impetuous Italic。前日のLINZ’sバリエーションと似ているのですが、斜めに止める扱いがない分(写真③参照)、こちらのほうが少し楽な気がしました。Impetuous Italicの良さは、フォーマルなイタリックと混ぜて書いても素敵なことだとおっしゃっていました。前日よりさらにペンアングルを変えたり、紙の向きを変えたり、セリフを派手にしたり、ウェイトを付けたいときは後から足したりして、まさに緩急に富んだイタリックを楽しみ(※写真④参照)、最後には、マニーご持参のシュミンケの金粉を墨汁の上に混ぜて慌ただしく2日間のWSが終わりました。(写真⑤金粉付きはマニーが通訳のYumikoさんに贈ったもの)

今回は文字の習得に励むWSだったので、参加者皆さんの文字が拝見できなかったことや、作品らしきものが書き上げられなかったことが残念で、あともう1日あればという感じでしたが、Yumikoさんが、こちらの聞きたいという気持ちを察して踏み込んで尋ねて下さる的確な通訳や、同じ机を囲んだ楽しい方々のお蔭で、とても心地よく帰路につきました。山羊の毛の大きな筆を使ったデモを見せて頂いた時に、本当に『氣』を感じてゾクっとしました。ゆっくり『氣』を込めて書かれるマニー。これこそ求めていたもの。
常々文字に魂を込めたい、命を吹き込みたいと思っている私には、このWSに参加した甲斐、意味があったと感じた時でした。
マニー!本当に本当に有難うございました。

●「異文化の融合によるカリグラフィーの表現」WSレポート  齋藤朋恵

カリグラフィーの異文化融合というテーマに興味をもち参加したワークショップ。最初の日は、Manny先生の数々の作品を見せてもらうところからスタート。
「例えば、同じことをするにしても、場所が違えば、マテリアルも方法も違う。カリグラフィーも一緒で、場所や文化などの背景によって、表現、テクニック様々なものが違う。例えば、西洋と東洋をミックスしてみたらどうなるか、古い技術と新しいテクノロジーをあわせてみたらどうなのかということを試している」と作品を見せながら説明するManny先生。

今回のワークショップでは、東洋的な背景に西洋のカリグラフィーを取り入れていきます。
まず、持ってきた和紙に墨で模様をつけていきます。筆もどんなものを使っても良し。墨で濃淡を出しながら、そして、文字を入れるスペースも考えながら模様を書いていきます。筆と和紙と墨で作りだされる独特な模様が非常に興味深かったです。(写真①)

その後、和紙に書いた模様をマットボードに貼り付けます。糊を適量の水で溶き、マットボードに貼り付ける和紙全体を水で湿らせてから、丁寧に刷毛で糊を塗っていきます。塗り終わったら、マットボードに貼り付けます。空気やごみが入らないように細心の注意を払います。
マットボードに貼り付けた和紙が乾くまでの時間に、「書体」の練習をします。
今回の書体は、Bamboo Script(バンブースクリプト)。植物からアイデアを得たManny先生の独自の書体です。まずは、小文字の練習。バンブースクリプトは、aやoの内側のスペースを塗りつぶしてもいいのです。そして、あっという間に一日が終わりました。(写真②)

次の日は、乾燥させたマットボードに、カリグラフィーのペン先で文字が書けるようにマットメディウムを塗布します。マットメディウムを水で薄めて、手早く、ムラなく全体に塗ります。そして、乾燥させている間に書体の練習。大文字、そして作品にする文章を練習します。
先生が書くと植物に見える書体は、私が書くと何だかよくわからない書体になってしまいます。
最終日は、マットボードの上に文字を入れ、作品にして、参加者全員の作品をテーブル並べるのですが、何だか私の作品だけ違和感が・・・。(写真③)

ということで、家に帰ってから、ひとりで「バンブースクリプト」に向き合う日々。
書いても書いても、何だか「これじゃない感」が拭えません。何となく、形になってきたかもしれないと思ったときに、思い切って最後のマットボードに文字を入れてみましたが、やはり、本番と考えると緊張しうまくいきません。再度、和紙をマットボードに貼るところから復習。ワークショップ時の注意事項も聞き流していることが多く、一人で再度やってみると、何だか理解が深まります。失敗したときは、Manny先生の言葉をひとつひとつ思い出しながら作業していきます。やっと、マットボードが出来上がったところで、今度は新しい技術と組み合わせてみようと思い、バンブースクリプトをレーザーカッターで入れてみました。(写真④)

この3日間のワークショップは、本当に有意義で楽しいものでした。Manny先生をはじめ、ワークショップを運営したくださったJ-LAFの皆様、参加者の皆様に、あらためて御礼を申し上げます。本当に、ありがとうございました。

●「Impetuous Italic」WSレポート  林 順子

今回参加したWSはImpetuous Italic。緩急をつけたイタリック体の表現、とサブタイトルが付けられていました。「Impetuous」には、衝動的な・激しい・性急なという意味があります。美しく書かれたイタリック体は、ただ美しいだけでなくマニー氏の新たな表現、豊かな表現への欲求と葛藤を経て、スピード感のある即興的に伸び伸びとしたイタリック体へと発展していました。

WSは2日間。初日は、まず基本的なことを押さえてからのストローク練習。
マニー氏は基本的なことを本当に大切にされていて、書く時のポジショニングやツール(オートマチックペン、パラレルペン)の扱い方なども丁寧に説明されていました。書く時のスピードやペン操作、細かな動きのストロークもテーブル毎に説明し、さらに個別にも細やかな指導をして下さいました。
今回のようにフィーリングを生かしたストロークを書く場合は、ペンや紙、インクの相性は勿論ですが、書き手の筆圧やスピードをコントロールすることで、ストロークにも新たな表情が加わります。同じツールを使っていても、マニー氏が書くと、シンプルなストロークもこんなにも表情豊かなストロークになるのかと驚くばかりです。

これまでとは違ったスピード、ペン操作(角度や向き)、ストロークを書く方向の工夫など、新たな表現のストロークを学ぶことができました。

2日目は、初日に習った文字を繋げていく表現を学び、それぞれが用意した短い文章を、午前中をめどに仕上げることになりました。

また、ペンサイズを小さくして練習、同じ書き方ですが雰囲気が違いますね。

私が用意した文章をレイアウトしてみたら、縦にmとsが並んでしまいました。文字数も少ないのでレイアウトは変更せず、あえてそのまま、並びが気にならないように変化をつけてみようと思いました。マニー氏にもそのことを伝えてアドバイスを頂きました。

そして、こちらのお手本です。
しっかりとmとsへの変化をつけ、文字間行間のスペースもやや狭くして、全体がまとまるようにフローリッシュラインでバランスを取られていました。
このような文字から繋がっていないフローリッシュラインで大胆にまとめていくやり方も、今後チャレンジしていきたいと思いました。
文字の勢いを止めることなく、そのまま書き進める中で全体のバランスをとっていく、即興的に捉えていく力を発揮していかないといけないと実感しました。

気が付くと、マニー氏がアドバイスした後にレイアウトしたお手本を書いて落款を押すという流れになっており、結果的にマニー氏は参加者全員にそれぞれの短文のお手本を仕上げてくださいました。どのお手本も、まさに即興的に伸び伸びとスピード感のある仕上がりでした。それぞれの文章に向き合う様子は、文字をどう表現しようかと楽しくて仕方がないように感じられ、見ている私たちはどんどんと引き込まれていきました。柔軟に全体のバランスを取り、魅力的な表現でまとめ上げていく、マニー氏のすばらしさに感動しました。

2日間を通して、文字をどのようにして表情豊かにまとめ上げていくのか、それを実践的に示して下さったマニー氏。細やかな気配りでお優しい人柄にも触れ、とても充実したWSとなりました。私も、これからの文字を表情豊かに表現できるように励みたいと思います。
マニー氏、そしてJ-LAFスタッフの皆様、本当にありがとうございました。

 


最終受付について 2019.03.04

『マニー・リン カリグラフィーワークショップの最終受付について』をNewsのページにアップしました。


受付状況 2019.01.23

『マニー・リン カリグラフィーワークショップ受付状況』をNewsのページにアップしました。


受付状況 2019.01.07

『マニー・リン カリグラフィーワークショップ受付状況』をNewsのページにアップしました。


東京会場決定のお知らせ 2018.12.25

『マニー・リン カリグラフィーワークショップ東京会場決定』をNewsのページにアップしました。


受付状況 2018.12.22

『マニー・リン カリグラフィーワークショップ受付状況』をNewsのページにアップしました。


一般申込み受付スタート 2018.12.17

『マニー・リン カリグラフィーワークショップ一般申込み受付スタート』をNewsのページにアップしました。


受付状況 2018.12.16

『マニー・リン カリグラフィーワークショップ受付状況』をNewsのページにアップしました。


会員申込みスタート 2018.12.10

『マニー・リン カリグラフィーワークショップ申込みスタート』をNewsのページにアップしました。


詳細・申込み要項のご案内 2018.12.3

『マニー・リン「カリグラフィーWS」2019 詳細・申込み要項のご案内』をNewsのページにアップしました。


開催のご案内 2018.11.1

2019年4月にイギリスよりマニー・リンを講師に迎え、ワークショップを開催いたします。

今回は、大阪で2コース(2日間コースを2回)、東京で2コース(3日コース&2日コース)、合計4講座とスライドレクチャーを各1回ずつ開催いたします。ワークショップ4講座は全て内容が異なります。初心者の方から経験豊富な方まで、それぞれに、学びやヒントを得る経験をしていただける内容となっています。

[大阪]
1 Folded Pen Writing (ペンで描くテクスチャーを生かした表現を学ぶクラス)
2 Linz’s Variations & Impetuous Italic–Study of Letter Style(書体を学ぶクラス)

[東京]
3 Cross Cultural Calligraphy(墨・紙・文字を組合せ、洋の東西を超えた作品作りクラス)
4 Impetuous Italic(緩急をつけたイタリック体の表現を学び小作品をデザインするクラス)

※ 東京開催の3のみ、3日間クラスです。

また、マニーが自身の芸術活動の軸としている
「境界を超える」をテーマとした「Crossing Boundaries – The Calligraphic work of Dr. Manny Ling」をスライドレクチャーで見ていただきます。東洋的な感性によるアルファベットの表現、デジタルとアナログなど、相対する表現の世界を垣間見ることができるでしょう。

講座内容及び募集の詳細等については、11月末頃にウェブサイトでお知らせする予定です。

 

<講師プロフィール>
Dr. Manny Ling マニー・リン
1966年生まれ。イギリスのサンダーランド大学デザイン学科の上級講師として、イギリス、香港、中国で教鞭を取る。紙媒体デザイン、カリグラフィー、レタリング、およびタイポグラフィーデザインを専門とする。イギリスのカリグラフィー会報誌『the EDGE』のデザイン編集者を20年以上に渡り務めた。様々なアーティストや展覧会および地域プロジェクトの出版物デザインを手がけている。彼の作品は世界各国で展示され、多くの出版物に掲載されている。殊に2018年春に香港で開催された個展は、デジタルと手書きのオーバーラップした世界が人々を魅了した。

2008 年に『Calligraphy Across Boundaries』(境界を越えたカリグラフィー)で博士号を取得。同年には、カリグラフィーの促進と発展への貢献に対して、Calligraphy and Lettering Arts Society 名誉フェローの資格が贈られた。IRCC のディレクターであり、数々の国際カリグラフィーシンポジウム、展示、出版のディレクションに携わっている。Typographic Circles と Letter Exchange の正会員。日本のカリグラファーとの交流も深く、2016 年秋には、柿衛文庫(兵庫県伊丹市)で開催された『ワーズワースと芭蕉:歩く詩人』展に出展。2017年11月には、京都にて、サンダーランド大学主催(ジャパン・レターアーツ・フォーラム共催)で開催されたWriting Symposium 2017のオーガナイザー、講師を務めたことは記憶に新しい。
Writing Symposium 2017

西洋のアートとデザインを日常業務とする中国人であることが、彼の生活や芸術表現に深く影響している。彼の作品には、「コントラストと矛盾」というテーマが中心にある。手作りとデジタル、東と西、古いものと新しいもの、勢いと静寂。こういったテーマが彼のカリグラフィー作品の中で表現されている。

<サンダーランド大学講師紹介サイト>
https://www.sunderland.ac.uk/about/staff/design/manny_ling
<2018年香港開催エキジビション>
http://library.ust.hk/exhibitions/manny-ling/
https://www.youtube.com/watch?v=_DjINBCfiOU